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鳥瞰図(Bird View) 街路樹の頂 遥か下に見え
放射状に 白線の中 人間達が行き交う
今年の初春(はる) 飛び立ったばかりの 鳥はぎこちなく風に乗る
狭い曇空(そら) 彼は感じた痛みを 白い粉が落ちていた

「それは粉じゃなく雪と言うのよ。
『痛い』じゃなく『冷たい』と言うの。
まだ何も知らないのねボクちゃん。」
母親に笑われ 彼は翼 翻す

街中を 覚えたての「雪」が「冷たく」覆い尽くす
クルクルクルと 飛び回る けれど人間しか見当たらない
覚えたての 狩りをして 本能(きもち)を満たしたい 
街路樹の枝 憩う鳥達に なぜ獲物がいないと訊く

「こんな雪空の中 飛べるのは僕達 鳥だけさ。
地を這う愚かな人間は 死ぬ瞬間(とき)しか翼がないのさ。」
鳥達に馬鹿にされ 彼はまた 飛び立つ

目印の無い 空中を 気まぐれに彷徨う鳥
見つからない 目当てのもの 巣へ帰ろうとしたその刹那(とき)
とても小さな人間が ベランダ越し 手を伸ばし
雪をすくおうと誤り 宙を舞う
鳥は咄嗟に 急降下した

地面にほど近い宙で 鳥は人間の子ども背負い込み
芝生へそっと降ろした 子どもに生えかけた翼は
気付くと無くなり 鳥は首を傾げた

それを見ていた母鳥は 息子に名を付けた
「ボクちゃん」とはもう呼ばず 「モラル」と言う名前が与えられた
それから誰も 彼を笑ったりしなくなった
 
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